90%以上が〇〇?技能実習生の帰国後フォローアップ調査
はじめに
技能実習期間を終えて帰国した実習生は、その後どのような生活を送っているのでしょうか。
この度、外国人技能実習機構より、2023年度の「帰国後技能実習生フォローアップ調査」の結果が発表されました。
これは、技能実習生が帰国後にどのような職業に就いているか、日本で習得した技術や知識が活かされているかなどを調べるもので、2018年度から毎年実施されています。今年度は31,666名の技能実習生が対象となり、そのうち7,936件の有効回答が得られました。
技能実習を修了して帰国した実習生の現状を知ることができる貴重なデータをもとに、本記事では、調査結果の中で特に注目すべきポイントをいくつかご紹介いたします。
技能実習の効果と役に立った内容
調査によると、技能実習期間を通じて学んだことが「帰国後、役に立った」と回答した人は、92.1%でした。毎年90%近くの数値を維持していますが、特に高い評価を受けた項目は以下の通りです。
- 1位:修得した技能(76.0%)
- 2位:職場の規律(67.6%)
- 3位:日本での生活経験(66.8%)
- 4位:日本語能力の習得(65.2%)
- 5位:日本で貯めたお金(61.7%)
これにより、日本での実習が、単なる技術習得にとどまらず、職場の規律や生活習慣の改善にも貢献していることが確認されました。
帰国後の就職状況
帰国後の就職状況では、以下の結果が示されています。
ほとんどが母国で仕事をすることを選んでいますが、特定技能として日本に戻る技能実習生が5分の1を占める結果となっています。
- 1位:特定技能として日本に戻る(21.1%)
- 2位:仕事を探している(20.3%)
- 3位:雇用されて働いている or 雇用されて働くことが決まっている(18.8%)
- 4位:起業している(12.3%)
また、「雇用されて働いている」、「雇用されて働くことが決まっている」、または「起業している」と回答した人のうち、「実習と同じ職種もしくは同種の仕事に従事している人が65.1%となっており、技能実習で得たスキルが帰国後のキャリアに活かされていることがわかります。
実習期間(在留)中の困ったこと
在留中にコミュニケーション以外で困ったことがあったかという質問では、「困ったことはなかった」と答えた人は82.4%でした。「困ったことがあった」と答えた人の中では、「家族と離れて寂しかった」が55.1%で最も多い結果となりました。
主な困ったことは以下の通りです。
- 1位:家族と離れて寂しかった(55.1%)
- 2位:残業が少ない(34.4%)
- 3位:仕事が厳しい(きつい)(23.1%)
この結果からも、家族思いな技能実習生へのフォローが重要であることが伺えます。
まとめ
2023年度の「帰国後技能実習生フォローアップ調査」は、技能実習が帰国後の就職や生活に大きな影響を与えていることを示しています。
また、技能実習生の生活や仕事における課題も浮き彫りになっており、今後のサポート体制の改善に役立てることができるでしょう。