脱退一時金とは?技能実習生の年金保険料が返還されます
はじめに
技能実習生が日本での実習を終え母国に帰国する際、一定の条件を満たしていれば、納めた社会保険料の一部が「脱退一時金」として払い戻されます。
この制度は、技能実習生が日本の年金制度に加入している間に納めた保険料の一部を返金するもので、特に短期での滞在に適した仕組みです。
脱退一時金の支給条件
脱退一時金の支給上限は5年です。
脱退一時金を受け取るためには、例えば以下の条件を満たす必要があります。
1. 厚生年金に6カ月以上加入していること。
2. 日本を離れ、**2年以内に請求**を行うこと。
3. 日本での**居住を終了**していること。
など、詳しくは日本年金機構ホームページの「脱退一時金の制度」をご覧ください。
脱退一時金の手続き
脱退一時金の手続きは、母国に帰国後に行います。技能実習生は、年金手帳やパスポートのコピー、銀行口座の情報を用意し、必要書類を郵送します。
これらの手続きは年金事務所に問い合わせ、帰国後に行います。申請が受理されると、数カ月以内に指定の口座に金額が振り込まれます。
詳しくは日本年金機構ホームページの「脱退一時金を請求する方の手続き」をご覧ください。
脱退一時金の額と所得税
非居住者が受け取る厚生年金の脱退一時金には、支給時に20.42%の税金が源泉徴収されます。ただし、「退職所得の選択課税による還付申告書」を税務署に提出することで、この源泉徴収された税金の還付を受けられる可能性があります。一方、国民年金の脱退一時金については、源泉徴収は行われません。
詳しくは日本年金機構ホームページの「国民年金の脱退一時金額」をご覧ください。
手続きの注意点
日本の公的年金制度に10年以上加入すると、一定条件下で老齢年金を受給できる場合があります。しかし、脱退一時金を請求すると、それ以前に支払った年金の期間がすべて無効となります。
そのため、特定技能等で日本に長期的に滞在することを計画している場合には、脱退一時金を受け取るかどうかは、将来日本で老齢年金を受け取る可能性を十分に考慮した上で判断することが大切です。
まとめ
脱退一時金は、技能実習生が母国に帰国した後に受け取ることができる重要な制度です。しかし、手続きや税金に関する詳細を把握し、正しく申請することが求められます。
技能実習生はこの制度を利用することで、帰国後の生活をより安定させることができますので、ぜひ企業のご担当者様も知識として覚えておいていただけますと幸いです。