技能実習生の入国後講習とは?入国直後は実習ができない?

技能実習生の入国後講習とは?入国直後は実習ができない?

はじめに

技能実習生が日本に到着した後、彼らが新しい環境に順応し、効果的に業務を遂行できるようにするため、「入国後講習」を実施することが義務付けられています。この講習は、技能実習生の日本での生活と職場適応をスムーズにするための重要なステップです。

本記事では、誰が、どんな内容を、いつ、どのくらい、技能実習生に対して入国後講習を行うのかについて説明していきます。

入国後講習の実施者

採用している技能実習制度の受入方式によって、入国後講習を担当しなければならない対象が異なります。

企業単独型の場合は、受入企業が責任を持って入国後講習を行う必要があります。
団体監理型の場合は、監理団体が責任を持って入国後講習を行う必要があります。
ほとんどの場合は団体監理型のケースが多いと思いますが、いずれの場合でも、「自ら又は他の適切な者に委託して」対応することが可能であることが、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律施行規則第10条で明記されています。

上記に従い、実際は監理団体が外部の研修センターに委託する場合が多いと言えるでしょう。

入国後講習の内容

入国後講習では、主に以下の内容が教育されます。

1. 日本語教育

日常生活や職場での基本的なコミュニケーション能力の習得を目指します。

2. 生活基礎スキル

日本の文化や習慣、法律に関する知識、日常生活に必要なスキル(買い物やごみの分別など)を学びます。

3. 法的保護

入国管理法、労働法、技能実習生としての権利と義務に関する教育が行われます。

4. 職場の知識

職場でのルールや安全衛生管理についての指導が行われ、特定の業界に応じた専門的なトレーニングも含まれることがあります。
ただし、研修センターでの座学であることが求められ、配属先の現場での教育や業務をすることはできません。
企業の担当者が研修センターへ赴き、スライドや動画、実際に使用する用具等で説明を行うと、技能実習生も実習内容に関するイメージを持ちやすいでしょう。

入国後講習の期間

入国後講習は、入国後1ヶ月の間で行われることが多いです。条件によって実施期間等は異なる場合がありますが、日本国内で入国後講習を受けてから企業での実習を行う必要があります。

講習時間は、技能実習1年目の配属先での活動予定時間の1/6以上の講習を実施することが必須とされています。
しかし、もし技能実習生が入国前に送出機関で1か月以上、かつ160時間以上の講習を受けている場合、日本での入国後講習時間は、年間活動予定時間の12分の1以上で良いとされています。

後者の場合で考えると、例えば配属先での実習時間が月に160時間とすると、年間で1,920時間実習を行うことになりますが、この1/12に相当する160時間以上の入国後講習が必要になります。これを元に、入国後の1ヶ月が入国後講習の期間だと説明しているケースが多いです。

まとめ

入国後講習は、技能実習生が日本での生活と業務に順応し、成功するための重要なステップです。企業が実習生を受け入れる際には、この講習が欠かせない要素であることを理解し、入国後講習期間を考慮したスムーズな受け入れ体制を整えることが求められます。