ホテル・旅館における技能実習生受け入れのメリットと課題
はじめに
特に人手不足が深刻な宿泊業界では、技能実習生の受け入れが労働力確保の有効な手段として注目されています。宿泊業は接客、調理、それに関連する清掃など多岐にわたる業務があり、これらの分野での技能実習生の活躍が期待されています。また、海外からのお客様に対応する際の多言語スキルや異文化理解が求められるため、外国人実習生の採用は業界にとって大きなメリットをもたらす可能性があります。
この記事では、宿泊業界の市場特性に基づき、技能実習生を受け入れる理由や特有の課題とその解決策を紹介します。
宿泊業界の市場特性と技能実習生受け入れの理由
宿泊業界は、観光客の増加やイベントによる需要の波に依存することが多く、季節やイベントによって労働需要が大きく変動します。そのため、安定した労働力の確保が難しく、人材不足は業界全体における大きな課題です。訪日客が過去最多の勢いを見せているインバウンド需要が好調な一方、国内の若年層の減少や、宿泊業での就労を希望する日本人が減っている現状も加わり、外国人技能実習生が貴重な労働力となっています。
以下は、帝国データバンクによる人手不足に対する企業の動向調査(2024年7月)のデータです。正社員・非正社員ともに、旅館・ホテルの 50%以上が人材不足に悩みを抱えていることがわかります。
技能実習生の業務には、フロント業務や接客、食事の提供、衛生管理が主な内容として含まれています。さらに、関連業務として客室の清掃や設備の点検、または食器洗浄なども含まれる場合があります。ただし、「ナイトフロント」や夜間の警備など、深夜に行われる業務への従事は認められていないため、その点に注意が必要です。
令和2年に技能実習2号移行対象として宿泊業が追加されたため、特定技能と合わせて長期的な雇用を考えることが可能になりました。
宿泊業における受け入れ課題と解決策
技能実習生の受け入れには注意点がたくさんありますが、ここでは、宿泊業ならではの課題や対策についてご紹介いたします。
1. 接客スキルとマナー教育
お客様と話す機会が多い宿泊業界において最も重要視されるのは、日本語能力、接客スキル、マナーの教育だと思います。 語学はもちろんですが、日本のホテルと外国のホテルでは接客の仕方などが全く違うということを念頭に入れて、日本人なら当たり前だと思っていることから教育する必要があります。
例えばKeep on Heart協同組合では、受入企業様のサポートのもと、母国の段階から学生に対して、フロント業務や接客に必要な言葉遣いやお客様への対応を教育することも可能です。敬語の使い方やホスピタリティを重視したコミュニケーションの指導を行い、質の高い接客ができるようサポートします。
何より、KOHの学生の強みは日本語力です。ぜひ一度お打ち合わせさせていただき、日本語力を確かめていただければと思います。
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2. 接客スキルと衛生管理の指導
接客だけではなく、料理や飲料の提供における衛生管理も重要です。清潔で安全な環境を提供するために、手洗いや調理器具の管理、提供時の衛生基準などを指導することが求められます。
Keep on Heart協同組合では、飲食製造業での技能実習生受入サポート経験も多数ございますので、しっかりとした衛生教育をサポートできるかと思います。
まとめ
宿泊業界における外国人技能実習生の受け入れは、国際貢献の観点に加えて、労働力不足の解消やサービスの質向上といった大きなメリットをもたらします。しかし、言語や文化の違いからくる課題や、業務に求められるスキルへの対応が必要です。監理団体の適切なサポートがあれば、実習生の成長を促進し、宿泊業界全体の発展に貢献することができるでしょう。