技能実習生が1番使う「Facebook」のリスクや活用方法

技能実習生が1番使う「Facebook」

はじめに

日本では、InstagramやTwitterといったSNSが主流ですが、外国人技能実習生にとってはFacebookが主要なコミュニケーションツールとして広く使われています。特にベトナムやミャンマーなどの国々では、Facebookが圧倒的に普及しており、日常的な連絡や情報収集に欠かせない存在です。最近では、Facebook上でものを買ったりするオンラインショップとしての使い方も増えています。
実習生たちは家族や友人との連絡はもちろん、仕事や生活に関する情報もFacebookを通じて得ることが多いため、日本企業がこのSNS文化の違いを理解することは非常に重要です。

このような背景を踏まえ、外国人技能実習生が安心してSNSを利用できる環境を整えることは、企業にとっても実習生との信頼関係を築くための重要な一歩となります。本記事では、Facebookを利用する際の注意点や、実習生との円滑なコミュニケーションを図るためのポイントについて詳しく説明します。

SNS利用におけるリスク管理

FacebookをはじめとするSNSは便利なコミュニケーションツールですが、同時に情報漏洩のリスクを抱える可能性があります。実習生が職場内の写真や業務内容を気軽に投稿してしまうことで、企業機密が外部に漏れる恐れがあります。これを防ぐため、企業は実習生に対して以下の対策を講じるべきです。

SNSポリシーの策定: 企業は、実習生がどのような情報をSNSに投稿してはいけないかを明示したガイドラインを作成し、実習生に共有することが重要です。例えば、工場内の機械や製品の写真、顧客情報、内部の運営方法など、企業の重要な情報はSNSに投稿しないように指導します。

定期的な研修の実施: 実習生に対して、SNSの適切な利用方法について定期的に教育を行うことが重要です。具体的には、投稿内容のチェックリストを配布し、誤って機密情報を公開しないように注意を促すことができます。

違法アルバイトや危険な求人に注意

Facebookは、実習生にとって仕事探しのツールとしても利用されることがあります。しかし、企業にとってこれは大きなリスクとなり得ます。実習生が違法なアルバイトの誘いに乗ってしまったり、危険な求人に応募してしまう可能性があるため、企業は実習生に対してしっかりとした情報提供を行う必要があります。

違法なアルバイトのリスクを理解させる: 日本では、技能実習生が規定された労働時間以外にアルバイトをすることは禁止されています。しかし、Facebookを通じて違法なアルバイトの誘いが届くことがあり、実習生が知らないうちに法律を犯してしまうことがあります。企業は、実習生に対して正規の労働契約と日本の労働法について詳しく説明し、違法なアルバイトに巻き込まれないよう注意を促すことが大切です。

危険な求人に対する注意喚起: Facebook上での求人情報には、詐欺や危険な仕事も含まれている可能性があります。在留資格が切れている外国人を集めているようなケースがあるかもしれません。日本に来る前にもこの危険性についてはレクチャーを行っていますが、実際に実習期間が始まってみるとどうしても 他の人と給料を比べたりして、もっとお金が欲しいと考えてしまう技能実習生も多くいます。彼らがこのような危険な求人に引っかからないようにフォローしてあげる必要があります。

Facebookを使った社内コミュニケーション

基本的にはLINEなど社内で使っているチャットツールを使ってコミュニケーションを取るので問題ないと思います。ただし、もしそれがうまくいかない場合にはFacebookのメッセンジャー機能やグループ機能を活用することで、実習生とのコミュニケーションをより円滑にすることができるかもしれません。特に多国籍の実習生がいる場合、グループで情報を共有し、メッセージで直接連絡を取ることができます。

メッセンジャーでの緊急連絡: 実習生がFacebookを主に利用している場合、緊急の連絡事項やシフト変更などをメッセンジャーで伝えることで、迅速な対応が可能です。ただし、公私混同を避けるため、業務とプライベートを分けるためのルールも設けることが重要です。

実習生のSNS利用に関するルール整備

最後に、企業は実習生がSNSを適切に利用できるよう、社内でのルール整備が欠かせません。

SNSポリシーの周知徹底: 実習生に対して、何を投稿して良いか、どのような情報は避けるべきかを明確にしたポリシーを事前に伝えましょう。特に、機密情報の取り扱いや、会社の評判に関わる投稿内容には細心の注意が必要です。

教育とフォローアップ: 定期的な教育プログラムを実施し、SNS利用のリスクやルールを再確認する機会を設けましょう。また、疑問や問題が発生した場合には、速やかに相談できる環境を整えることが大切です。

終わりに

外国人技能実習生が日常的に使用するFacebookは、企業にとっても新たなコミュニケーション手段やリスク管理の課題を提供します。適切なルールを設け、実習生に対してSNSの利用方法をしっかりと教育することで、企業と実習生の間で信頼関係を築くことができます。企業は、SNSの利便性を活かしつつも、情報漏洩や不正行為の防止に努めることが重要です。