【面接】技能実習生の実技試験のメリット

はじめに

近年、日本の企業は深刻な人手不足に直面しており、特に漁業、建設、飲食製造業などの分野では、従業員の高齢化や若年層の減少が大きな課題となっています。これらの業界では、単純作業から高度な技術を要する業務まで幅広い業務が存在し、人手不足の影響が生産性や業務品質に直結します。

こうした背景から、技能実習生の受け入れが注目されています。多くの面接では会話形式の面接が行われていますが、さらに実技面接は、候補者の現場適性を見極め、業務遂行力や理解度、体力、協調性などを評価する重要なステップでもあり、会話形式の面接と合わせて行うこともあります。

本記事では、技能実習生の実技面接における具体的な形式や評価ポイント、そして実技面接後のフォロー方法について解説します。

実技試験の形式と観点

評価ポイントの例：

• 作業の正確性：指示通りに作業ができるか。

• 効率性：手際の良さや業務のスピード。

• 技術理解度：基本動作や道具の正しい使い方を理解しているか。

• 指示の理解度：面接官の指示を正しく理解し実行できるか。

• 体力・持久力：特に漁業や建設など体力が求められる職種に重要。

• 協調性・サポート力：グループ作業でのコミュニケーション能力やサポートの姿勢。

形式：

実技試験は1人ずつ行う個人評価と複数名で行うグループ評価があります。

職種ごとの実技試験例

漁業分野

• 実技内容：網の修繕、漁具の準備。

• ポイント：

　- 作業の丁寧さや効率性。

　- 重い漁具を運ぶ体力や継続力。

　- 漁業特有の専門用語や指示内容の理解度。

建設分野

• 実技内容：資材の運搬、簡単な組み立て作業、測量の補助など。

• ポイント：

　- 安全基準に基づいた作業ができるか。

　- 指示の理解力と正確な動作。

　- 重作業に必要な体力と持続力。

飲食製造分野（パン製造）

• 実技内容：生地の成形、材料の運搬。

• ポイント：

　- 生地を均一に成形する正確さ。

　- 粉や材料を運ぶ体力。

　- 周囲の作業状況を見てサポートできる協調性。

実技試験後のフォロー

技能実習生が現場に適応するためには、事前の準備とフォローが欠かせません。

• 日本語教育の強化：業務で使用する単語や基本指示をまとめたテキストを準備し、事前に学習させる。

• 技術練習の実施：建設作業や漁業道具の使い方など、基本的な作業練習を行う。

• ビジュアル教材の活用：作業手順を写真や動画で解説し、視覚的に理解をサポートする。

まとめ

実技試験は技能実習生の実際の業務適性を見極める重要な機会です。職種ごとに評価ポイントを明確にし、候補者が事前準備を十分に行えるようフォロー体制を整えることで、実技試験の質は大きく向上します。また、企業側も現場で求められるスキルや姿勢を理解し、実習生とともに成長できる関係構築を目指すことが重要です。