漁業における技能実習生受け入れのメリットと課題
はじめに
漁業は日本の食文化を支える重要な産業であり、世界に誇る技術とノウハウを持っています。しかし、長時間労働が伴い、また少子高齢化や若者の就業離れにより、現場の人材不足が深刻化しています。
このような状況の中で、技能実習制度は漁業分野における労働力の補完と技術伝承の手段として注目されています。この記事では、技能実習生が漁業分野で必要とされる理由や受け入れ時の課題と解決策について解説します。
従事可能な漁業関係職種
以下、2024年12月時点の情報です。
漁船漁業
- かつお一本釣り漁業
- 延縄漁業
- いか釣り漁業
- まき網漁業
- ひき網漁業
- 刺し網漁業
- 定置網漁業
- かに・えびかご漁業
- 棒受網漁業
養殖業
- ほたてがい・まがき養殖作業
注意点としては、技能実習生が乗り組む漁船と監理団体との間で無線その他の通信手段が確保されていることなどが条件としてございます。
受け入れ人数なども含め、我々KOH協同組合にぜひお問い合わせください。
技能実習生が漁業分野で必要とされる理由
1. 労働力の補完
漁業は早朝から深夜に及ぶ過酷な作業が多く、担い手不足が深刻です。技能実習生の受け入れにより、安定した労働力を確保し、特に繁忙期の作業効率向上が期待されます。
2. 技術伝承と人材育成
日本の高い漁業技術や養殖ノウハウを技能実習生に伝えることで、彼らが母国での漁業発展に貢献し、国際的な技術交流が促進されます。
漁業分野における受け入れ課題と解決策
課題①:過酷な労働環境への適応
長時間労働や船上作業は、技能実習生にとって体力的・精神的負担が大きいです。
解決策:
• 労働環境の整備:適正な労働時間管理や休息時間を確保し、体調不良の早期発見に努める。
• 労働安全教育:多言語による安全指導や、船上の危険回避マニュアルを整備する。
課題②:言語・コミュニケーションの壁
漁業では安全確保のため、指示伝達の正確性が求められますが、日本語力不足により誤解が生じるリスクがあります。
解決策:
• 日本語教育の充実:受け入れ前にN4レベル相当の語学力を目指すカリキュラムを導入。
• 視覚的・多言語支援:動画や図解を用いた指導資料を整備し、実習生の理解をサポートする。
課題③:失踪リスクの対策
労働環境の不満や不安から、技能実習生が失踪するケースが散見されます。
解決策:
• メンタルサポートの強化:相談窓口の設置や、監理団体との定期的な面談を実施する。
• 待遇の明確化と向上:契約内容や給与体系を明確にし、不公平感を排除する。
まとめ
漁業分野における技能実習制度の適切な運用は、労働力確保と技術伝承の両面で重要な役割を果たします。過酷な環境への配慮や言語教育、安全対策を強化し、技能実習生が安心して働ける体制を整えることで、業界全体の持続的な発展が期待されます。